第9回永守賞表彰式典(2023)
2023年9月3日(日)、公益財団法人永守財団は『第九回永守賞表彰式典』を開催し、第九回永守賞表彰式ならびに研究助成2023贈呈式を行いました。
メイン会場であるホテルオークラ京都に受賞者および研究助成者等にご来場いただいての開催模様をWebにてLIVE配信し、国内外の多くの学術関係者、財団関連の皆様方約200名にご視聴いただきました。
永守賞については、受賞者6名による講演が行われた後に審査委員会が開催され、「第九回永守賞大賞」には栗田 伸幸 氏(ベイラー医科大学 / テキサス小児病院 准教授)が選出されました。
表彰式では、冒頭、堀審査委員長から審査経過報告が行われ、「第九回永守賞大賞」の受賞が発表された後、永守理事長より受賞者の皆様に表彰状・賞牌を贈呈いたしました。これを受け、受賞者代表として栗田氏から、受賞の喜びの挨拶をいただきました。
続いて、助成事業「研究助成2023」について、大学助教等26名(新規助成7名、継続助成19名)の研究に対し、助成金の贈呈が行われました。これを受け、助成対象者代表として小岩 健太 氏(千葉大学 助教)から、助成に対する謝意を込めた挨拶がありました。
また、今回の式典では、特別講演『長い研究生活からのレッスン』湊 長博氏(京都大学 総長)が行われました。表彰式、贈呈式では、ご来賓を代表してメイン会場にご来場いただいた文部科学省 文部科学事務次官 藤原 章夫 様にご祝辞を頂戴し、盛会のうちに終了しました。
第9回「永守賞大賞」受賞者および研究テーマ
- Nobuyuki Kurita / 栗田 伸幸
- [Associate Professor, Department of Surgery, Baylor College of Medicine / Congenital Heart Surgery, Texas Children’s Hospital]
- 人工心臓に用いられるベアリングレスモーターと磁気軸受の技術的な進歩への貢献
第9回「永守賞」受賞者および研究テーマ ※アルファベット順、敬称略
- Ke-Horng Chen / 陳 科宏
- [Chair Professor, Department of Electronics and Electrical Engineering / Institute of Electrical and Control Engineering, National Yang Ming Chiao Tung University]
- Pioneering research and development on power management IC and system designs in aims to contribute to global green energy technology
- Juri Jatskevich
- [Professor, Department of Electrical and Computer Engineering, Faculty of Applied Science, The University of British Columbia]
- For modelling, analysis and control of electric motors and generators
- Sangbae Kim
- [Professor, Department of Mechanical Engineering, Massachusetts Institute of Technology]
- Proprioceptive actuation for robots designed for physical interactions and development of impact mitigation factor (IMF)
- Sheldon Williamson
- [Professor and NSERC Canada Research Chair, Department of Electrical, Computer, and Software Engineering, Faculty of Engineering and Applied Science, Ontario Tech University]
- Innovative traction motor drives for highly-efficient and cost-effective e-mobility powertrains
- Junming Zhang / 张 军明
- [Professor, College of Electrical Engineering, Zhejiang University]
- Active gate drive with fast response time for power loss reduction and reliability improvement in traction inverter applications
第9回「永守賞大賞」受賞者 栗田 伸幸氏のコメント
この度、人工心臓に用いられるベアリングレスモータと磁気軸受の技術的な進歩への貢献に対して、第9回永守賞大賞という大変名誉な賞をいただきましたことを大変嬉しく思います。この受賞は、人工心臓によって重度心不全患者の生活の質を向上させるという社会的意義のある目的において、磁気浮上技術が果たす重要な役割をより明確にするものであると考えます。
私は20年以上にわたってこの技術を研究してきました。この過程で、各分野の著名な専門家と共同で研究を行うことができたのは幸運でした。また、特に日本の磁気浮上技術の研究者との貴重な情報交換や建設的な議論があったからこそ、私は研究者として成長できたと思います。そのような同志を得られたことも、とても幸運であったと思います。この名誉ある賞は、私にとって貴重な経験であるとともに、重症心不全患者のために磁気浮上技術の限界に挑戦し続けるための強い刺激となります。これからも磁気浮上技術と人工心臓の技術的進歩に貢献できるよう、ますます気を引き締めて取り組んでいきたいと思います。
私の貢献を認めてくださった審査委員会、そして私を支えてくれた恩師、同僚、研究協力者、家族にあらためて感謝いたします。