2022年9月4日(日)、公益財団法人永守財団は『第八回永守賞表彰式典』を開催し、第八回永守賞表彰式ならびに研究助成2022贈呈式を行いました。
前回に引き続き、日本電産株式会社本社ANNEXグローバル研修センターみやこホールをメイン会場として、受賞者および研究助成者代表にはリモートにて出演いただいての開催模様をWebにてLIVE配信し、国内外の多くの学術関係者、財団関連の皆様方約200名にご視聴いただきました。
永守賞については、受賞者6名による講演が行われた後に審査委員会が開催され、「第八回永守賞大賞」にはジャンマリオ ペレグリーノ氏(トリノ工科大学 教授)が選出されました。
表彰式では、冒頭、堀審査委員長から審査経過報告が行われ、「第八回永守賞大賞」の受賞が発表された後、永守理事長より受賞者の皆様に表彰状・賞牌を贈呈いたしました。これを受け、受賞者代表としてペレグリーノ氏から、受賞の喜びの挨拶をいただきました。
続いて、助成事業「研究助成2022」について、大学助教等29名(新規助成10名、継続助成19名)の研究に対し、助成金の贈呈が行われました。これを受け、助成対象者代表として清田 恭平氏(東京工業大学 准教授)から、助成に対する謝意を込めた挨拶がありました。
また、今回の式典では、ご来賓を代表して文部科学省 文部科学事務次官 柳 孝様にリモートにて出演いただきご祝辞を頂戴し、盛会のうちに終了しました。
Gianmario Pellegrino/Full Professor, Department of Energy "Galileo Ferraris", Politecnico di Torino
このたびは、モータとドライブの研究者に与えられる最大の栄誉の1つである、第8回永守賞大賞を受賞し、光栄に思うとともに身の引き締まる思いです。この受賞は私のキャリアの節目となるものです。
日本電産の創業者であり、永守財団の理事長である永守様が、ご自身のキャリアを通じて研究開発およびイノベーションの分野において技術的優位性を主唱され、かつこの賞を設置されたことに尊敬と深い感謝の念を表します。また、私の業績を高く評価いただいた審査委員の皆様に敬意を表しますとともに、深く感謝いたします。妻のラファエラと愛する家族にも感謝するとともに、この栄誉を私の「もう一つの家族」であるトリノ工科大学の同僚、学生および共同研究者と分かち合いたく思います。我々は再び、偉業を成し遂げられることを証明できました! 私の研究についてですが、モータドライブは、エネルギーの生産や排ガスゼロの交通における脱炭素化、およびエネルギーの効率的な利用における主役であるにもかかわらず、あまりにも長く成熟技術と見なされ、現在でもユーザや投資家から見過ごされています。私たちの研究は、永久磁石の使用を最低限に抑えたモータ、および直接磁束ベクトル制御やプラグアンドプレイ センサレス制御といった新しい制御戦略の改善に貢献してまいりました。さらに、シンクロナスリラクタンス モータドライブのような新技術を幅広い技術者が活用できるよう、オープンアクセス可能な設計・学習環境を整備し、研究の公開性を追求、促進しました。このような情報提供活動により社会に目に見える変化を与え、工学分野、特に電力変換の分野に才能ある人材を呼び込む一助となることを夢見ています。 永守賞大賞を受賞したことで、私の壮大な夢と強い使命感が、心の中で火花に触れたように鮮明に蘇りました。今後長年にわたり、さらに電動化され、持続可能な未来の創造に挑んでまいります。