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Nidecのモーター技術をデジモノステーションが紹介
ジャパン・クオリティの高品質モーターで世界のドローンを変革!
~Nidecの挑戦~
現在はまだホビー用途や空撮用といった「ラジコンヘリの延長線上」といった認識で語られることの多い「ドローン(無人航空機)」ですが、近い将来にこの市場が急成長し、やがては有人飛行する製品が出現するだろうと考える日本企業が「Nidec(ブランド名:Nidec)」です。彼らは来るべきドローン時代に向けて着々と準備を進めていました。
「Nidec」という社名を聞いても一般の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、高品質なモーター製品を手がけることで、産業界では知名度の高いテクノロジー企業のひとつ。
これまでも光ディスクドライブや携帯電話のバイブレーションといった身の回りの機器に使われている精密小型モーターや、車載および家電用のモーターなど、身近な製品の多くにNidec製のモーターが採用されてきました。目には見えないけれど、実は我々の生活に深く関わっている企業なんですね。
そんなNidecは、日本企業ならではの品質の高いモノづくりにこだわりながら、個性的な発言とパワフルな働き方で知られる創業者で会長兼社長の永守重信氏のリーダーシップのもと、「回るもの、動くもの」に特化しながらも海外企業に積極的なM&Aを仕掛ける攻めの姿勢で、「世界ナンバーワンの総合電装メーカー」を目指しているのだといいます。
2018年にはAmazonやGoogleといった巨大IT企業によるドローンでの配送サービスが本格化すると見られているように、近い将来にはドローン市場の爆発的な拡大が起きると予想されています。それはまるで、ここ数年でスマートフォンが一気に普及したようなスピード感で我々の生活に浸透していくことになるでしょう。
Nidecの永守会長は、こうした未来像を「一人一台のマイ・ドローンを持つ時代が来る」と予見しており、同社の主要事業であるモーターこそが、IoTを支えるキー・コンポーネントであると確信したのだそう。旧来よりPCや携帯電話にも搭載されてきたモーターが、来るべきドローン普及時代にはさらに重要なIoT機器の構成要素になっていくというわけです。
しかしながら、現在のドローンというと中国企業が強いイメージで、開発スピード・生産能力ともに高いこれらの競争相手に、日本企業が対抗していくのは困難であるようにも思えます。
そこでNidecは、これまで車載製品や精密小型モーターで培ってきた、産業用途で実績のある技術力を差別化要因として、ホビー用途ではなく産業用ドローンの世界に、信頼性の高いジャパン・クオリティのドローンを送り出そうというのです。
「高品質」というキーワードはたしかに日本のモノづくり企業の得意分野であるものの、Nidecではさらなるプラスアルファのチャレンジに取り組みはじめていました。それがモーター部品の防水・防塵、放熱能力の向上による「ドローン全天候化」、そしてモーター本体と制御技術、さらにはプロペラまでもを一体化させた「モジュール化」の推進です。
Nidecがこのように革新的なモーター・モジュールの開発に着手できるのは、これまでに車載部品用のモーター技術や、長寿命化と低振動・高速回転を実現した精密小型モーター「FDBM(流体動圧軸受モーター)」といった基礎・応用技術を開発したノウハウの蓄積があったからこそ。
特にドローン向けモーターのモジュール化においては、半導体のトップメーカーであるSTマイクロエレクトロニクス社との共同開発を行い、ハード・ソフト両面で高い品質のモーター・モジュールをパッケージにして供給することを目指しているといいます。
こうした取り組みにより、開発スピードは速いが品質面で見劣りする中国製品、ソフトウェア偏重の開発スタイルでハードウェアの品質向上に力点を置いていない米国製品のいずれをも凌駕しうるジャパン・クオリティの高品質ドローンが誕生する日も近いことでしょう。
冒頭に描いた未来像のように、将来のドローンは空撮や配送よりもさらに複雑な産業用へと発展したり、さらには人間が搭乗できるような、まさに一家に一台の「マイ・ドローン」と呼ぶべき自家用スカイモビリティといった姿へと進化していくかもしれません。こうした未来のドローン実現には、より高い安全性の確保など、多くの問題を解決する必要があります。
日本ブランドとしての高いクオリティにあぐらをかくのではなく、前出の全天候化、モジュール化、さらには軽量化ならびに低消費電力の実現に向けて前進するNidec。そこで働く技術者たちは、「日本のモノづくり企業の強みを活かした高品質なハードウェアの開発こそが日本メーカー勝ち残りの鍵です」と意気込みを語ります。
普段目にする事のない「縁の下の力持ち」的な存在のNidec製・高品質モーターが、世界のドローン事情を大変革することになりそうです。
文/ワタナベダイスケ(編集部) DIGIMONO!by デジモノステーションより転載