会社名
ニデック株式会社
代表者名
代表取締役社長執行役員 小部 博志
取引所
東証プライム(6594)
所在地
京都市南区久世殿城町338
問合せ先
執行役員 瀬田 智則
電話
075‐935‐7777

当社は、2023 年 6 月 2 日付の「分配可能額を超えた前期の中間配当金、並びに前期の当社株式取得について」にてお知らせしました、2022 年 10 月 24 日開催の取締役会において決議し実施した一株当たり 35 円の配当(以下「本件中間配当」)及び 2022 年 9 月 1 日以降 2023 年 3 月 31 日までに信託契約に基づき信託銀行が実施した当社株式の取得(以下「本件株式取得」)について、会社法及び会社計算規則により算定した分配可能額を超過して実施していた件(以下総称して「本件」)に関し、本日、外部調査委員会の調査結果を受領いたしましたので、下記の通りご報告いたします。

1.外部調査委員会

当社は本件に関し 6 月 2 日付で、以下の弁護士 3 名からなる外部調査委員会を設置し、本件に関する事実関係の調査、発生原因の究明、関係者等の責任の検討及び再発防止策の提言を行うことを目的とし、本件に関する調査を依頼しました。委員は次のとおりです。

委員長 結城大輔(のぞみ総合法律事務所 弁護士・公認不正検査士)

委 員 川西風人(のぞみ総合法律事務所 弁護士)

委 員 吉田元樹(のぞみ総合法律事務所 弁護士)

※ 各委員は、当社グループとの間に特別の利害関係を有しておりません。

2.調査報告書の概要

外部調査委員会から受領した調査報告書の概要は以下のとおりです。なお、調査報告書の全文については、別添資料をご参照ください。

(1) 調査により判明した事実及び原因分析

自己株式の取得に関する具体的な業務は財務部、配当に関する具体的な業務は経理部に所属する従業員が担当しているが、本件が分配可能額規制に違反して行われた原因は以下のとおりと考えられる。

  • 担当役職員における知識不足及び認識不足等
  • 分配可能額規制に関する業務マニュアル等が経理部におけるチェックリストを除き存在しなかったこと。そのような状況の下、担当役職員に対して自己株式取得又は配当に係る業務についての研修や勉強会等は特段実施されておらず、分配可能額規制に関する知識の習得が役職員個人の対応に依存していたこと
  • 担当部署において分配可能額を確認する体制ができていなかった又は不十分であったこと、及び退職・異動に伴う担当者交代時の情報共有が不足していたこと
  • 財務部と経理部との間で分配可能額に関する連携が取れていなかったこと
  • 分配可能額に関する社内の関心の低さ:配当について検討する際に各会議体等では分配可能額ではなく利益剰余金を基準としていたこと
  • 取締役による慎重な確認の不足:本件株式取得の取得枠並びに第 49 期期末配当及び本件中間配当が決定された各取締役会では、議案の説明を担当した執行役員から分配可能額に関する説明は特になされず、また、当該取締役会における配布資料にも分配可能額に関する記載はなかったものの、各取締役は、これらの自己株式取得及び配当に関する法的規制について担当執行役員等に確認するなどの慎重な対応をとらなかったこと

(2) 関係者の行為の法的評価

  • 会社法の分配可能額規制の違反に対する刑事責任はいずれも故意犯であるところ、本件調査においては、当社の取締役等が会社法上の分配可能額規制に違反していることを認識していたにもかかわらず本件中間配当及び本件株式取得を実行したという事実は認められなかった。したがって、当社の取締役等に上記の刑事責任は認められない。
  • 取締役に対し、剰余金の配当や自己株式取得の場面において何らかの上限額の規制が適用されることの認識を求めることは、決して過度な要求とまでは言い切れないが、その認識を欠いていたという事実だけをとらえて、取締役がその職務を行うについて注意を怠ったとまではいえないと考えられる。
  • 当社においては、自己株式取得及び剰余金の配当に関する業務を適法に行うことを担保するための一定の体制は整備・運用されていたといえる。上記の体制の下においては、当社の取締役が、所管部署及び担当・統括執行役員を信頼し、本件株式取得に係る取得枠の総額や本件中間配当の金額について適法な内容であることの確認がなされていると考えたこと自体は、 必ずしも不合理とは言えない。したがって、本件調査における調査・検討の結果を踏まえると、当社の取締役は、本件中間配当及び本件自己株式取得に係る「職務を行うについて注意を怠らなかった」と評価されるものと考えられる。

(3) 再発防止策の提言

  • 担当部署における実効的な業務遂行体制の整備
  • 担当役職員に対する研修等の実施
  • 財務部及び経理部による連携の強化
  • 外部専門家の活用

3.調査報告書を受けた当社の対応

当社は、外部調査委員会の提言を踏まえた再発防止策を講じ、さらなるコーポレート・ガバナンスの向上に取り組んでまいります。

本件により関係者の皆様に多大なるご心配をおかけいたしましたことにつき、重ねてお詫び申し上げます。なお、本件が当社の業績に与える影響はありません。

以 上