E-Axle　生産の強み
開発から生産まで一貫した体制を構築

2025年以降と目されるEV本格普及に向けて、トラクションモータ「E-Axle」への需要が高まっています。エンジンの代わりとなる基幹部品ということもあり、トルク特性や航続距離を伸ばすための効率性、更には静粛性、小型軽量化、そして信頼性やメンテナンスのしやすさなどEVの性能や乗りやすさを左右する特性に対しての要望も多く寄せられるようになってきました。

E-Axleはモータ、インバータ、減速機の３つを単純に組み合わせればよいというものではありません。400点にも及ぶ複雑な部品をそれぞれ開発し、組合せ、一つのシステムとして最適化する必要があります。

NIDECは、そうしたE-Axleの開発から生産までのすべての工程をNIDECグループ内で完結させることができます。つまり、キーコンポーネントの内製化にとどまらず、そのキーコンポーネントを生産するための設備や、E-Axleの試験設備も内製化しており、「超・垂直統合」と呼称しています。これにより、品質の担保、リードタイム短縮、コスト低減を実現しています。

開発スピードもNIDECの強みです。E-Axleのデザイン開発から生産、供給までにかかる期間は、一般的に2年～2.5年と言われていますが、当社では約半分の1～1.5年とすることができました。これは、上記「超・垂直統合」によるリードタイムの短縮に加えて、E-Axleのプラットフォーム化を図ることで、派生モデルの開発を容易にするという設計思想を開発段階から念頭に置いていたことが功を奏した形です。小型車から大型SUVといったあらゆる車両セグメントへの対応のみならず、モデルごとの特性に合わせたE-Axleの早期開発も可能になっています。

このようにNIDECでは、万全の体制で市場のニーズに合わせた製品の開発と生産を提供するべく、着々と準備をしています。これからも製造キャパシティ拡充と、開発スピードの向上を図り、トラクションモータシェア世界一に向けて歩みを続けていきます。