未来への取り組み
トラクションモータシステム「E-Axle」
(EV駆動モータシステム)
EV普及のカギを握るE-Axle。世界で初めて量産開始。
電気自動車(EV)の心臓部となるトラクションモータシステム。モータのほか、インバータや減速機を一体化したもので、車体に搭載してドライブシャフトと接続すれば、回転トルクを発生させて、この製品だけで車を走らせることができます。
NIDECでは世界に先駆けて2019年から、トラクションモータシステム「E-Axle」を量産しており、2021年3月の時点で、累計30万台を突破。2023年4月の時点で、累計70万台に達しています。
培った技術力で小型化・軽量化を実現
電気自動車の市場は、世界的な温暖化問題に対する意識の高まりを背景に、急拡大を続けています。EV開発は、非常に厳しい競争環境下にあり、車両メーカーにとって開発スピードは生命線となっています。インバータや減速機がすでに組み込まれた一体製品となっているE-Axleを採用することで、スピード面でも車両メーカーの開発を支援することができます。
E-Axleには、出力とそれに見合う効率性、小型・軽量であること、高い信頼性があること、また多種多様な車両に適用できる汎用性が必要となります。この中でも、小型・軽量であることは「電費」にも直結し、もっとも重要な指標となります。NIDECは長年にわたり特にIT分野において超小型・超薄型化技術を培ってきました。この開発ノウハウを E-Axleにも活かすことで、業界をリードするトラクションモータシステムを実現することができました。
小型軽量であるという特徴は、高い運動性能、動力性能、電費性能、静粛性に加え、車体デザインの自由度を増します。2022年10月に量産開始したE-Axleの第2世代は、出力135kWタイプで、2400Nm、重量は57kgと小型軽量で、パワー密度で他社製品を大きく上回ります。こうした利点は、EV普及で世界をリードする中国で高い支持を集め、2023年4月の時点で15車種のEVに採用されています。
2030年、世界シェア45%へ
現在、出力の異なる6タイプのE-Axleをラインナップしており、コンパクトカーから高級車にまで対応しています。
今後、EVの普及はさらに拡大し、2030年には、EVの全世界車両保有台数は約3億台とも6億台ともいわれています。※ NIDECのE-Axleも2030年にはトラクションモータで世界シェア40〜45%を獲得することを目標に研究開発を加速、世界各地で量産体制構築を急ピッチで進めています。
※Global EV Outlook 2022 IEA 2022.5
https://iea.blob.core.windows.net/assets/ad8fb04c-4f75-42fc-973a-6e54c8a4449a/GlobalElectricVehicleOutlook2022.pdf
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