2-4 ステッピングモータ
特長
1章で見たように、ステッピングモータにはいくつかの種類があります。
ステッピングモータは、デジタル信号で簡単に制御でき、工業用途、パソコン周辺機器だけでなく、FAX、コピー機など事務機器にも用いられています。
ステッピングモータには、次のような特長があります。
- ①コイル電流を切り替えると、決まった角度だけ動く
- ②フィードバック信号が不要
- ③位置決め誤差が累積しない
- ④デジタル制御系との整合性がよく制御回路を作りやすい
永久磁石型ステッピングモータは、サイズの割に大きなトルクを発生できます。また、永久磁石を使わないVR型(variable reluctance)は、細かな分割が得意です。VR型と永久磁石型は、特別な用途で用いられます。
両者の利点を兼ね備えたモータとして考えられたのが、複合型(hybrid type)、通称、HB型と呼ばれる型式です。HB型の構造は、1章の図1.29として紹介しました。
クローポール式PM型(後述)は、永久磁石型というより、HB型の一種と考えられるモータです。
このモータは、1回転あたりの分割数は多くないのですが、コンパクトで価格も手頃なため、主に小型機器用として用いられます。
この章では、現在のステッピングモータの主流であるHB型モータと、クローポール式PM型モータについて説明しましょう。