2-2-1 ブラシレスDCモータとは

この要望に応えるのが、ブラシレスDCモータです。ブラシレスDCモータは、図2.22 のように回転子が永久磁石、固定子がコイルになっています。

DCモータと比べると、コイルと磁石のどちらが回転するかの違いで、回転原理や出力特性等の基本的性質は、ほぼ同じです。

コイルが回転しないので、ブラシと整流子は必要ありません。しかし、何らかの方法でロータの回転位置を検出して、コイルへの電流を切り替える工夫が必要になります。

ブラシレスにするためには、この電流の切り替えを、機械的な接点以外で行う必要があります。そこで、ブラシレスDCモータを駆動するには、半導体素子を用いた駆動回路を用いて、機械的な接点を使わずにコイル電流を切り替えます。

ブラシレスDCモータは、半導体素子の発達とともに発展してきたモータで、専用の駆動回路なしで回ることはできないモータです。

ブラシレスDCモータのことを、「DC」を取ってブラシレスモータと呼ぶこともあります。

ブラシレスDCモータの構造
                         図2.22(a)ブラシレスDCモータの構造
ステータとロータ
(1)ステータ(左)とロータ(右)。巻線方式は分布巻でなく、集中巻が一般的になってきた。ロータ表面の永久磁石はネオジウム磁石。
                         図2.22(b)ブラシレスDCモータの例
ブラシレスDCモータの構造例
(2)ブラシレスDCモータの構造例。右側ケース内部に位置検出用センサがみえる。

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