ソリューション事例
スマート・マイクロ・グリッドソリューション
アンデス山中の人里離れた村に安定したエネルギーを供給
太陽光、風力、ディーゼル等各種発電機と蓄電池を統合し、最適管理を実現
- NEEDS
- アンデス山中の村に安定した電力を供給したい
- SOLUTION
- 再生可能エネルギーとその不安定さを補う蓄電システムで課題を解決
高度な制御技術で分散電源化、再生可能エネルギーの有効利用を促進
従来、エネルギー源として人々の生活に欠かせなかった化石燃料は、地球環境への負荷が大きく、枯渇の可能性がある資源です。その化石燃料に依存しない再生可能エネルギー源として注目を集めている風力発電や太陽光発電ですが、既存の電力系統網に接続する場合、いくつかの課題があります。
電力は常に需給が釣り合った状態で供給される必要があり、既存の電力系統網においては非常に高度な制御技術を用いて需給のバランスを最適化しています。また、停電の危険を避けるため、電力系統網内の電力において、電圧・周波数・位相の品質を高度に保っており、こうした仕組みによって消費者は安心して電力を利用できるのです。
Nidec ASIは、太陽光発電システムにおいて、既存の電力系統網へ接続可能な高品質の電力を供給できるシステムを構築するのみならず、離島・僻地での電力確保に最適な発電システムを構築するなど、さまざまなアプリケーションに応じたシステムとソリューションを世界中に提供しています。
太陽光発電、風力発電をベースとし、蓄電システムで不安定さを解消
たとえば、チリ・オヤグエ村のスマート・マイクロ・グリッドプロジェクト。オヤグエ村は、アンデス山脈の中にあり標高は3660m、日本の富士山頂とほぼ同じ高さにある村です。
この過酷な環境下において、太陽光発電と風力発電、不安定な発電を補完するための大規模蓄電システムを設置。さらに既に設置されていたディーゼル発電機を統合して、安定した電力を供給することを目的としたプロジェクトをスタートしました。
村の人口や施設数から、必要とされる電力量を24時間すべての時間帯ごとに分割算出し、同時に年間365日の日照時間や風力を過去のデータから割り出すことで、コストを含めた最適な発電設備の規模を決定します。そして、その発電規模を実現する最適なシステム構成を決定した上で、システム設計を行い、機器設備開発・製造と設置を進めました。ここで発揮されるのが、世界中で数多くの再生可能エネルギーをコアとしたグリッドシステムを構築してきたNidec ASIの経験です。Nidec ASIの技術と経験によって、オヤグエ村では夜でも読書ができる環境が整い、テレビや冷蔵庫など家電の普及も順調に進んでいます。