ソリューション事例

シースルー・エレベータシステム

エレベータの適応範囲を大きく広げる
小型エレベータ駆動システムの実用化。

NEEDS
屋上に機械室を設けずに、エレベータを増設したい
SOLUTION
エレベータシャフト内部に収納できる小型巻き上げ機を実現

快適な空間を提供するシースルーエレベータ

近年、街のあちこちでシースルー・エレベータを目にするようになりました。駅のホームやコンコースに設置された場合、従来のエレベータに比べ見通しが効くため、圧迫感を感じずに済みます。また、エレベータを利用するユーザにとっても閉塞感を感じずに利用でき、快適な空間を提供することが可能になります。同時に内部を見ることができるためカメラや警備員による監視にも効果的で、安全面においても利点を持ちます。さらに最近ではモニュメンタルなビルに使用されることが多く、世界中のデザイン・コンシャスなビルや由緒ある建物のリノベーションでシースルー・エレベータを数多く見かけるようになりました。こうした数々の特徴と利点を持つシースルー・エレベータですが、実現には多くの技術が必要となります。

デザイン性だけでなく、監視もしやすく、安全性も確保できるシースルーエレベータ

小型AC永久磁石モータ+ギアレス巻き上げ機で小型化、機械室も不要

たとえば、シースルー・エレベータを歴史的に由緒あるビルに設置する場合、屋上に専用の機械室を設けることができないというケースが多々あります。こうしたケースには、Nidec KINETEKがエレベータ用に開発したAC永久磁石モータを利用したギアレス巻き上げ機の出番です。レアアース磁石を使用することで、巻き上げ機を駆動する十分なトルクを持ちながら、モータを小型化することが可能になります。減速ギアが不要であるため巻き上げ機全体も小型化でき、屋上に機械室を設置せず、エレベータ・シャフト(エレベータの昇降路)内部に巻き上げ機を設置することができます。また従来のワイヤーロープの代わりにスチールベルトを使うというアイデアもエレベータの小型化に寄与しています。アメリカ機械学会基準(ASME)のエレベータ基準では、巻き上げシーブの直径はロープ径の40倍以上とされていますが、ロープ径が12.7mmの場合、シーブの直径は508mmにもなります。ワイヤーロープの代わりに薄いスチールベルトを使用すれば、基準を守りつつ、シーブを小型でき、必要な耐荷重と巻き上げに必要な摩擦を確保することができます。

巻き上げ機全体の小型化で機械室が不要となり、由緒あるビルの外観を変えずにエレベータ設置が可能となった

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