ソリューション事例

海底ケーブル埋設機向け深海作業用ACモータ

海底ケーブル敷設を行うケーブル埋設機向けに
4000mの深海の圧力に耐える特殊モータを開発

NEEDS
4000mの深海、大きな水圧に耐え、正確な動作を求められる
SOLUTION
オイル充塡の特殊構造、特殊な製造法、高度な検査法で深海の圧力に耐える

世界中の海で行われる通信ケーブル敷設工事に必要な特殊モータ

モータ内部に満たされた非圧縮性のオイルによって、深海の高圧に耐える特殊構造

海底ケーブルは、1850年にイギリスのドーバーとフランスのカレーの間に敷設されて以来、世界中の海に敷設されています。無線の発達、衛星通信の登場にも関わらず、通信品質の良さと通信容量の大きさにより海底ケーブルは現在も通信の主役として、世界中の国々を結んでいます。海底ケーブルを海底に敷設するために専用の海底ケーブル敷設船を使用しますが、その敷設船に搭載されるのがケーブル埋設機です。ケーブル埋設機を使ってケーブルが海流などで流されないよう海底を掘り進みながらケーブルを埋設していきますが、NIDEC KINETEKは、そのケーブル埋設機に搭載される深海用かご型誘導ACモータを開発・製造しています。
深海用ACモータは特殊構造で、内部がオイルで満たされています。オイルは空気と異なり外圧により体積が変化しないため、最大深度4000mで発生する水圧にさえ、耐えることが可能となっています。

製造法、検査法、すべて高度で特殊な手法で機能と性能を担保

遠心鋳造、減圧・加圧樹脂浸透法など、内部に空隙が生じるのを防ぐ手法で製造される

一方、内部がオイルで満たされているがゆえに、ロータが回転時にオイルの抵抗を受け、回転数が落ちてしまいます。そのためオイルの抵抗により回転数が落ちないよう、ロータの形状に工夫を凝らしています。
また、製造プロセスも深海用モータならではの特殊な手法で製造されています。たとえば、ステータは遠心鋳造法により製造され、内部ガス欠陥のない緻密な組織を得ています。そして、ステータへの銅線巻線の際には減圧・加圧樹脂浸透法(vacuum and pressure impregnation)を用いて、空隙が生じることを防いでいます。
出荷前には、熱耐久試験、ブレーキ負荷を与えてのトルク・回転数・電流・電圧試験、過電圧・減電圧試験、リーク試験など、厳密な試験が実施されます。これらの試験はモータが深海環境で受けるあらゆる影響を模擬できるウォータータンク内で行われ、データログはすべてコンピュータに記録され、精密な解析を行うことも可能となっています。品質保証体制も万全を期しており、4000mの深海で確実に機能することを担保しています。

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