S/社会
人材育成
基本的な考え方
NIDECグループは2030年度連結売上高10兆円を達成し、目指す姿である「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を実現するため、国際競争力が高い人材、すなわちグローバルに活躍できる人材の確保・育成が不可欠であると考えています。NIDECグローバル人事ポリシーにおいて、会社組織および人材に係る基本的な考え方を「“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明⽇と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。」と定義し、これに沿った人材の確保・育成に努めています。
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目標
マテリアリティ
体制・取り組み
目指す姿を実現するためには、これまで以上に自律的な組織・人材へと変革をする必要があります。そのために、NIDECグローバル人事ポリシーを中心に据え、人材育成の観点では次の2つの領域に注力しています。
(1)「幹部開発 集団経営体制の強化を図る」
(2)「キャリア開発支援及び理念浸透 挑戦を促し、自ら将来を描く」
(1)「幹部開発 集団経営体制の強化を図る」
集団経営体制へ移行するにあたり、重要ポストにおける安定的な人材パイプラインは必要不可欠です。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しています。また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っています。加えて、地域の特性に合わせた幹部開発施策の実施を開始しています。
グローバル経営大学校は2016年に、その候補生を早期に育成する次世代グローバル経営人材育成プログラムを2017年に開校しました。これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)もの国から受講者が選ばれており、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しています。
グローバル人材の育成
年度 | TOPICS |
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2022 | 「指名委員会」を設置 創業者による「育成塾」を開始 |
2020 | 「人材開発委員会」を発足 |
2017 | 「次世代グローバル経営人材育成」を開始 「海外トレーニー制度」を開始 |
2016 | 「グローバル経営大学校」開校 |
2015 | 永守経営塾創設 NIDECモーターカレッジ開始 |
2013 | 社内語学スクールを開講、各種レベル別英語レッスンを開始 研修プログラムをグループ会社へ展開 |
2012 | 技術者、営業社員などの専門能力養成プログラムを開始 チャレンジ研修、通信教育等を開始 (テーマ例:戦略的思考、リーダーシップ、交渉力) |
2010 | 全社員のTOEIC一斉受験(年2回)を開始 各事業所にて英語学習法セミナーを開催 |
次世代リーダーの輩出
後継者計画の考え方
常に人材プールの各階層に人材を用意しておき、社長候補にふさわしい者が上位のプールへと上がっていく仕組みを構築しています。それぞれのプールに必要な基準を定め、該当する役割の職責・職務を果たせる人材のみを選出します。
人材プールの考え方
なお、各階層における候補者選任や人材育成については、主に下記の会議体にて議論しています。
指名委員会
2022年11月、取締役会の諮問機関として指名委員会を設置しました。主に、経営層(取締役・執行役員)の選任について議論しています。当社の取締役および執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等に関して独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレートガバナンス体制を一層充実させることを目的としています。
人材開発委員会
2020年度より、社長、副社長、CxO等の役員、人事部を構成員とした人材開発委員会を設置しています。主に、ビジネスユニット長やファンクションリーダー等の重要ポストの後継者計画、および中長期的な経営者候補の育成計画について議論しています。
(2)「キャリア開発支援及び理念浸透 挑戦を促し、自ら将来を描く」
NIDECグローバル人事ポリシーにおける会社組織および人材に係る基本的な考え方である「“For Our Future, For Our Dream” ―世界の人々の明日と私たちの夢のために挑戦する組織・人材であり続けること」のとおり、社員一人一人がプロアクティブに存在価値を発揮することが求められます。そのため、当社では、社員が同じ一つの夢に挑戦するための土壌づくりとして、キャリア開発を支援しつつ、あわせて理念浸透にも注力しています。
キャリア開発支援においては、「上司・若手向けキャリア研修」や「キャリアプランシートの活用」を通じて、キャリアの棚卸し・振り返りから将来を描くための開発支援を行っています。加えて、日頃からの1on1ミーティング等でのキャリアに関する対話を通じてキャリアプランの実現に向けた取り組みを進めるとともに、定期的に実施する社内公募などを通じて社員の新たなキャリアプランの実現を後押ししています。
理念浸透においては、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織をつくるため、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を配布・活用しています。日常業務の中に「挑戦への道」が自然にある環境を整えるとともに、定期的に研修などで理念の理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っています。
挑戦への道
NIDECポリシーや永守イズムを伝えるため、当社グローバルグループ代表の永守の考え方、行動の仕方をまとめた「挑戦への道(The Challenging Road)」を全世界に展開しています。日本語を含む12言語(日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ハンガリー語、スロバキア語)に翻訳しています。
全社員行動方針 NIDEC Wayの制定
NIDECグループは、2015年1月にグループ全社員が共有すべき行動指針・規範として“NIDEC Way”を制定しました。これは2015年当時、M&Aを通じて30カ国以上に事業展開するに至った当社グループが、「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」となることを目指して更なる拡大を図るに当たり、必要と考え、定めた基本指針です。
いかなる組織もその原動力はあくまで社員一人ひとりの行動です。しかし組織が大きくなればなるほど、多様化する社員のベクトルを合わせるのが難しくなります。そこで“NIDEC Way”は、「信条」、「心構え」、「行動規範」という順に具体化される3階層の構成とし、社員にわかりやすくベクトルを提示しました。制定においては社内横断プロジェクトチームを組み、まず創業者である永守の哲学を根底から学び直すとともに、世界のエクセレントカンパニーの事例を広く収集しました。当社には、行動において「気概と執念」という非常に重要な理念がありますが、制定の過程でこの「気概と執念」が普遍的なものであることや、当社のこれまでの発展、そしてこれからの発展を支え続けるものであることを確信し、この理念を行動規範として“NIDEC Way”に結実させることとしました。そして制定にあたっては、社員に理解、浸透のための教育を実施し、また全社員の実践につながるよう“NIDEC Way”を基準とした行動評価を導入しました。
今後も業務や教育研修を通してグループ全社員に“NIDEC Way”の浸透を図り、理解、共鳴をもって実践してもらうことで、NIDECグループが「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」であり続けるべく、邁進していきます。