サプライチェーンマネジメント

顧客とのかかわり

基本的な考え方

顧客のさまざまな要望に応えるため、QCDSSS(品質、原価、納期、サービス、スピード、差別化)を営業活動の基本姿勢と定め、開発・生産・営業部門が一体となって顧客満足度の向上や信頼関係の構築に努めています。世界中に広がる顧客の要望に素早く応えるため、顧客のそばで開発・生産・販売活動を行う「メイド・イン・マーケット戦略」を実践しています。各地域で市場に密着し、顧客ニーズに即したスピーディできめの細かい対応に努めています。

QCDSSSの要件

製品の安全性と品質については、当社はその製品ラインナップの豊富さ、また供給数量の多さから、単なる製品の提供にとどまらず、環境親和性の観点に基づく部品選定や製品の安全性、さらには廃棄やリサイクルに至るまでのあらゆる場面における安全性の全てを保証しなければなりません。当社は安全かつ安心してお使いいただける製品を皆様に提供することで、持続可能な社会インフラづくりに貢献できると考えています。
こうした思いの実現には、環境親和性の観点に基づく製品パフォーマンスを高いレベルで維持する必要があり、部品設計時点における材料選定のガイドとなるようなデータベースが不可欠です。また、車載事業がNIDECグループ連結売上高の20%以上を占める一大事業に発展した現在、自動車業界における全ての顧客の品質ニーズを満たす上で、グローバルに統一された品質保証体制の確立が重要です。
国内外の生産事業所には、品質保証部門を設置するとともに、品質マネジメントに関する国際規格(ISO9001、車載用モータに関してはIATF16949)に基づく品質保証体系を構築しています。そして、NIDECグループ全体の品質保証を統括する横串機能として設立されたグローバル品質統括本部が、各社の品質保証部門と連携し、一括管轄できる体制を構築しています。

国際規格の取得状況

目標

マテリアリティ

体制・取り組み

EU諸国などの環境先進国でビジネスを展開しており、環境対応意識の高いお客様を多く抱える小型モータ事業本部では現行規制への対応は完了しています。しかし法規制や社会的要請が今後さらに厳しくなる見込みであり、各国の法令・規制や要請に先行して置換えの難しい材料に対する鉛使用量の低減や樹脂材料の再生利用によるCO2排出の抑制に取り組んでいます。具体的には、一部顧客向け製品に使用される鋼材に対して、低鉛材への置き換えを進めています。特にIT業界の顧客を中心に提案を進め、2023年度発売の新製品についても低鉛材を採用していただきました。また、再生樹脂材料の適用推進については、再生樹脂材料の使用率を50%にまで向上させた製品を一部顧客に提案、出荷を完了しており、現在は信頼性を含めて本製品の特性評価中です。今後も生産増強に向けて再生樹脂材料を使用した製品の開発と顧客への提案活動を推進していきます。
一方、品質に関する要求が一層厳しい車載事業本部では、新規プロジェクト開発において品質保証部によるプロジェクト成果物監査(Quality Management監査)を通じて、高い製品品質と工程品質を確保する取り組みを実施しています。社内第三者である品質保証部が全ての部門の成果物(プロジェクトタスク)を精査し、評価する仕組みを導入しています。この取り組みはプロジェクト計画に合わせて実施し、トップマネジメントへの結果報告を義務付けることで、製品開発の品質向上を行い、車載事業部内の製品安全リスクの未然防止活動を強化しています。
そして全社の品質を統括する横串機能として設立されたグローバル品質統括本部では、NIDECグループ各社の品質保証部門が参加する定例の会議体を開催し、各社の品質状況の把握および好事例の全社共有を図っています。NIDECグループ全体の製品開発フローにおいて、顧客要請の把握から製品・製造工程設計、量産後のアフターサービスに至るまでの品質保証上の基本的実施事項とそれをガイドする標準文書類の整備とその各事業体への徹底を推進しています。

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