G/ガバナンス

リスクマネジメント

基本的な考え方

リスクを把握・管理することは、リスク発生時の対応力不足による損失拡大、ビジネスチャンスの喪失、格付の低下などを防ぐために必要な重要事項です。リスクを適切に管理すべき主管部署が特定されない、あるいはリスク評価が実施されず優先的に対応すべきリスクが特定されなければ、予期せぬ事態が発生した際に適切な対応が取れず、事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。NIDECグループでは事業に影響を及ぼすリスクをグローバルな視野で中長期的なリスクと日常的なリスクの両方を見据え、事業継続の確保を図っています。そのために、リスク事象の調査・評価を、現状対策の実効性を確認しながら実施する仕組みを整えています。

目標

マテリアリティ

体制・取り組み

リスク管理体制

2021年度にリスク管理体制を見直し、下図に示した階層ごとにリスク調査を行い、調査結果を他の階層の施策に相互利用していく仕組みを作りました。L2で特定されたリスクについてはL3でも内容を確認し、その中にL3主導で改善しなければならない全社共通の課題を発見した場合は適宜L3のリスク管理活動に反映するなど、階層別リスク管理活動を相互に関連づける動きを進めています。
また、事業中断を招きかねない重大偶発リスクについては、事業本部レベル(L2)が傘下の主要事業所レベル(L1)のBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の整備状況を定期的に確認し、リスク低減に向けた継続的な改善活動の定着を図ります。

※主要事業所:所属する事業本部・グループ会社の売上の80%をカバーするように選定された事業所

中長期的なリスクの管理

当社グループでは、具体的な数値目標・定性目標として設定された長期ビジョンを実現するための中期経営計画を策定し、年度事業計画の基礎とします。策定にあたっては、中期達成目標としての実行可能性、長期ビジョンとの整合性、達成のために克服すべき課題やリスクを含めて検討し、決定します。マーケット状況の変化や進捗状況に応じて、計画の実施途中での見直し(ローリング)も行っています。

日常的なリスクの管理

当社グループ全体のリスク管理体制確立のため「リスク管理規程」を制定し、取締役会の下部組織としてリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会が策定した年度方針に基づいて、リスク主管部門長及びグループ各社がリスク管理年度計画を作成・実行します。
リスク管理室はこれを支援するリスク管理委員会の事務局機能を担い、経営管理監査部がこのリスク管理体制の整備状況を監査します。
さらに、重要な情報については毎朝のリスク会議で迅速に報告・共有し、日々の業務に活用します。また必要に応じて、経営会議の場でも幅広く討議・共有します。
当社グループが現在管理対象としている具体的なリスクについては、こちらをご参照ください。

リスク管理委員会

取締役会の下に設置され、リスク管理担当役員を委員長とし、リスク管理方針、施策の決定、取締役会への報告、建議を行います。また、全社的なリスク管理状況を監視し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直すこととしています。リスク主管部門長およびグループ各社は、リスク管理委員会が策定した年度方針に基づいて、リスク管理年度計画を作成・実行します。

危機管理

現実の危機対応が必要となった際に備え、当社グループ全体を包含する「危機管理規程」及び「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」の元、フローチャート・チェックリスト形式の実践的な手順を整備しています。

BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)

当社グループは、世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。2014年3月より、地震、洪水、干ばつ、感染症、火災などのリスク発生を想定し、BCPのシミュレーション訓練を国内外の拠点で実施しています。訓練には、2024年3月末までに累計3,570名以上の社員が参加し、現場レベルの対応力を強化しました。

事業中断を想定した机上BCP訓練の様子(中国)
南海トラフ大地震による被災を想定した
本社機能対策本部机上訓練の様子(日本)

Nidec Group Search