2021年度特集 - 統合報告書2021
サステナビリティの実現に向けて
基本的な考え方
当社が考える持続可能な経営の在り方とは、「会社が追求する事業戦略の方向性と世界が求める社会的課題解決への道筋を一致させ力強く芯のある成長を続けること」です。
当社はかねてより、これまでの経営全体の長短を新たな視点から見極める必要性を認識していましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大は不確実性への備えを一層強く意識するきっかけとなりました。そこで当社事業ごとの持続性を担保するべく社内外のステークホルダーによる中長期の展望を軸に5つのマテリアリティを特定し、「脱炭素社会の実現」「人権の尊重・適正な労働慣行の浸透」「国際競争力が高い人材の確保・育成」など、全15項目の取り組みテーマを明確にしました。また、各項目において積極的かつ持続性のある改善活動を実行するための各種体制を整備しています。例えば、改善活動の進捗を定期的に確認するために代表取締役社長(CEO)をオーナーとするESGマテリアリティSteering Committeeを組織したほか、将来起こり得るリスクへの対処を速やかに実施すべく財務・非財務領域の両方にわたるリスクマネジメント体制を構築したことなどがあげられます。加えて、2008年に制定され、現在まで当社CSRにおける最重要指針となっているCSR憲章や、社会的責任を果たすという観点から従業員の取るべき選択を明文化したCSR行動宣言など、CSRに関するあらゆる文書・規定もマテリアリティへの対応を支える礎となります。今後も事業の持続性を高めていくために、当社の理念と経験の全てを用いて効果的なサステナビリティ戦略を打ち出していきます。
マテリアリティ対策推進体制
当社が特定した5つのマテリアリティには全部で15個の取り組みテーマが付随しており、それらは活動の始動時期に応じて3つのPhaseに分類されています※。それぞれの活動が確実かつ効果的に実行されていることを確認するための仕組みの一つとして、当社はESGマテリアリティSteering Committeeを定期的に開催しています。この委員会はManagement Committee(旧 常務会)の直下に設けられた会議体で、代表取締役社長執行役員である関 潤をオーナーとしています。この会議はおよそ四半期に一度のペースで開催され、それぞれの活動テーマについてPhaseごとに進捗や課題点などを報告し合います。なお、報告はそれぞれの活動テーマの担当役員より直接行われます。この場で議論・決定された事項は直ちに活動計画に反映されます。
※ 「統合報告書2021」 P.24、または「日本電産のマテリアリティ」ご参照。
ステークホルダー・エンゲージメント
当社の重要なステークホルダーには、株主・投資家をはじめ、顧客、取引先、地域社会、社員が含まれます。当社はステークホルダーとのコミュニケーションを通してその期待に応えることを重要な経営課題としています。