2021年度特集 - 統合報告書2021
日本電産の使命
人類共通課題①
脱炭素化
CO2が約7割を占める温室効果ガスの排出量増加に起因するとみられる地球温暖化が進み、世界各地で異常気象が発生しています。そうした中、2015年に採択されたパリ協定を契機に世界で2050年カーボンニュートラルを目指す動きが加速しています。運輸機器から排出されるCO2量の占める割合は約23%に及び、自動車のCO2排出量低減は非常に重要な課題となります。
当社の取り組み
温暖化対策として、各自動車メーカーがクルマの電動化を進めており、 2030年電気自動車の新車販売台数は2020年比数十倍に増えることが予想されています。当社は電気自動車用駆動モータシステム「E-Axle」を供給し、この分野でシェアNo.1を目指しています。当社はE-Axleを通じて電気自動車の普及を支え、自動車の脱炭素化に貢献していきます。
人類共通課題②
少子高齢化
国別GDP上位の米国、中国、欧州、日本などでは少子高齢化が進み、15歳~64歳の生産年齢人口比率が減少しています。特に「世界の工場」と呼ばれる中国では生産年齢人口が2020年から2050年にかけて約1億7,000万人減少すると予測されています。今後、少子高齢化が進行する中で生産性を維持するためには、いかに労働人口減を補っていくかがポイントとなります。
当社の取り組み
人手不足解消のソリューションとしてロボットの活用が大いに注目されています。当社は主に産業の分野で活躍するアームロボット向けのモータや減速機の開発に注力しています。
人類共通課題③
デジタル化
新型コロナウイルス感染が広がった2020年は様々なデジタル関連サービスの普及が加速し、データ流通量が増加しました。ロックダウンや緊急事態宣言などの措置により、買い物や仕事、教育等でオンラインツールの利用が増加したことが要因とみられています。今後、IoTやAIの活用拡大、新興国でのスマートフォンの普及や5Gネットワークの実装進行により、データ量は更に増加し、2025年に世界で生成されるデータ量は2020年比約3倍の175ゼタバイトと予測されています。
当社の取り組み
大容量データを保存するデータセンターでは「ニアライン」と呼ばれるハードディスクドライブ(HDD)が主に使用されており、当社はHDDの基幹部品であるモータを供給しています。また、データセンターで発生する熱を冷却するためのファンモータも供給し、世界の旺盛なデータ需要を支えています。