2018年度特集 - 持続可能な世界への貢献
2. 交通事故ゼロを実現する
毎年多くの人々の命を奪っている道路交通事故をなくしていくことは、世界共通の願いであり、目標です。
当社グループの技術と製品は、運転支援機能の高度化、そして自動車のブレーキの性能向上において、重要な役割を担っています。そして、その先には「交通事故ゼロ」を見据えています。
国際目標としての道路交通事故の削減
世界保健機関(WHO)が発行する「GLOBAL STATUS REPORT ON ROAD SAFETY 2015」によると、2013年に世界で道路交通事故により死亡した人は125万人にのぼります。
国連加盟諸国もこの問題を重く見ており、SDGsの目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)におけるターゲット3.6は、「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者数を半減させる」としています。
先進運転支援システムの発展、そして自動運転の普及へ
運転支援機能の高度化に向けて研究開発を加速
車線維持支援、車間距離制御、自動緊急ブレーキといったドライバーの安全運転を支援する機能を搭載する自動車は、年々増加しています。
こうした先進運転支援システム(ADAS)をさらに発展させ、ドライバーの関与を減らすことで、完全な自動運転が近づきます。交通事故の多くはヒューマンエラーに起因するため、自動運転の実現は交通事故の大幅な減少につながると期待されています。
自動運転車を実際に走らせるには、走るコースを決めるためのデータの収集、障害物の検知、道路状況に応じた速度・ステアリング調整をはじめ、多岐にわたる技術的課題をクリアする必要があります。自動車のハードウェア・ソフトウェア両面の開発だけでなく、交通インフラとの連携も必要になります。
当社グループはこれまで、先進運転支援システムの主要な機能を担うモータ、モータ・コントローラ、センサを提供してきました。そして現在、人間が運転する際に行っている「認知」「判断」といった行動を自動運転で実現するために、センシングデバイスや認識アルゴリズムの高度化に取り組んでいます。あらゆる技術を活用しながら、「ぶつからないクルマ」につながる研究開発を加速していきます。
ブレーキの進化を支える
電動化する自動車の安全を守るブレーキシステム
自動車の電動化に伴い、安全運転の要であるブレーキング操作は、電子制御による仕組みに転換しつつあります。新しいメカニズムでは、ドライバーの動作の感知とモータ制御を高精度で行うことにより、ブレーキを踏んでから自動車が止まるまでの距離が短縮され、安全性が高まります。
当社グループは、車載モータに注力する一環として、こうした次世代ブレーキシステムを開発・供給しています。電気信号で迅速にブレーキの力を制御する「ブレーキ・バイ・ワイヤ」の技術動向に合わせ、電動ブレーキブースター用モータの開発も進めてきました。高い性能と信頼性を備えた製品により、これからの自動車の安全水準を高めています。