特集
2017年度特集 - 私たちが見つめる未来
日本電産グループは、国際社会が一致して取り組む「持続可能な開発目標 SDGs(エス・ディー・ジーズ)」 の実現に貢献する革新的なソリューションを創出し、世界各地へお届けしていきます。
SDGsの実現に向けて
2015年9月、ニューヨーク国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、193の加盟国が全会一致で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」 を採択しました。同アジェンダでは、国際社会が2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するための重要な指針として、17の目標( Sustainable Development Goals:SDGs )が設定されました。
SDGsを現実のものとするには、国や自治体に加え、民間企業や市民社会の力が切実に必要とされています。中期戦略目標 Vision 2020のテーマとして「“回るもの、動くもの”で暮らしと地球環境を支えるソリューションカンパニーへと進化する」を掲げる当社グループは、その事業と関わりの深い4つの目標を中心に、SDGsの実現につながるソリューションを世界に届けていきます。
持続可能な開発とは(国際連合広報局より)
- ■持続可能な開発は、「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義される。
- ■持続可能な開発を達成するためには、経済成長、社会的包摂、環境保護という3つの主要素を調和させることが不可欠。
※1 IoT(Internet of Things):ありとあるゆるモノがインターネットを通じてつながること。
※2 HMI(Human Machine Interface):装置やソフトウェアをはじめ、人と機械が情報をやりとりするためのモノの総称。
ソーラーパワーでインド農地に水を
労働人口の4割以上が農業に従事するインドの大きな悩みは、灌漑用水の不足です。約3,500万台のポンプが地下水を汲み上げるのに使われ、うち約2,700万台の電気式ポンプは国全体の2割近くの電力を消費します。残りを占めるディーゼルポンプには、燃料の入手問題とCO₂や大気汚染物質の排出が伴います。2014年にインドのモディ首相から当社会長の永守に要請があったことを受け、当社の高効率モータやIoTなどの技術・ノウハウを活かした灌漑用高効率ソーラーポンプシステムの開発と普及に取り組んでいます。気象の変化による電力供給の変動、50~100mにもなる井戸の底に設置されるモータの安定稼働、農作物の生育状況にとって最適な水量コントロールといった課題をクリアしながら、インドの農業の発展に貢献していきます。