環境マネジメント
環境目標と実績
基本的な考え方
NIDECグループでは、2004年度より環境保全活動中期計画を策定し、以降3か年計画で環境重点項目の改善に取り組んできました。2022年に開始した第七次中期計画(2022年~2024年)では、事業による環境負荷低減および製品による環境貢献を主軸とした、環境マネジメント活動や自然環境保全活動を含む4つの枠組みで取り組みを進めてきました。
これまでの環境保全活動中期計画は日本およびアジアを中心としたNIDECグループの事業場を対象としていました。2022年度に初めてNIDECグループ全ての事業場の環境データを収集する仕組みを構築できたことから、2024年10月に対象をNIDECグループの全事業場へと拡大し、環境保全活動第七次中期計画を改訂しました。この改訂では基準年度を2022年度とし、目標年度は「Vision2025」に組み入れて推進をしているマテリアリティのKPIの目標年度である2025年度に合わせました。また、取り組みについては、マテリアリティの「持続可能な地球環境への貢献」に関わるテーマを網羅するとともに、これまで進めてきた環境負荷低減の取り組みを拡充しました。
具体的には、SBTi認定に基づいたスコープ3の削減目標を新たに設定するとともに、環境負荷の低減、汚染防止の観点から有害廃棄物発生量や揮発性有機化合物(VOC)削減目標の設定を行いました。また、生物多様性にも関わるリスク低減策を立案し、実行する一歩として、マテリアリティと同様に、「水リスクアセスメント100%実施」という目標を環境マネジメント活動の中に追加しました。
NIDECグループは、引き続き、環境保全活動中期計画を基盤とする活動を進めるとともに、マテリアリティである「持続可能な地球環境への貢献」に対し、「脱炭素社会の実現」、「廃棄物・有害廃棄物の管理」、「水リスクへの対応」という3つのテーマに取り組んでいきます。
■第七次環境保全中期計画の概要
NIDECグループの第七次環境保全中期計画は、環境負荷低減と持続可能な未来への貢献を目指す取り組みです。この計画は、温室効果ガスの削減、再生可能エネルギーの導入、環境に優しい製品の開発など、以下の4つの主要な取り組みを柱とし、目標達成に向けた活動を推進しています。
- ・事業による環境負荷低減
- ・製品による環境貢献
- ・環境マネジメント活動
- ・自然環境保全活動
■マテリアリティの取り組みについてはこちら
環境保全活動第七次中期計画およびマテリアリティの取り組み進捗
■環境保全活動第七次中期計画の取り組み進捗
まず、事業による環境負荷の低減において、2023年度の温室効果ガス(スコープ1・2)は、生産設備や空調機などの使用条件適正化を通じた省エネ活動に加え、再生可能エネルギーの導入が進み、2022年度比2.0%の削減となりました。また、これらの取り組みにより、再生可能エネルギーの導入比率は2022年度7.8%から2023年度12.5%へと向上しました。また、温室効果ガス(スコープ3)、取水量、廃棄物・有価物等発生量で目標を上回る削減を実現しました。一方、2023年度のVOC排出量は93tと、事業場の増加に伴い2022年度比で210%増加となりました。なお、2022年度の同一拠点と比較すると、2022年度比で6.7%削減となりました。
次に、製品による環境貢献では、環境に貢献する新たな製品の開発および普及の推進に向け、マテリアリティの取り組みの1つである「製品を通じた脱炭素化への貢献」と連動した目標達成に取り組んでいます。
さらに、環境マネジメント活動および自然環境保全活動においても、グローバルの各事業場と連携しながら、環境負荷の低減に向けた着実な取り組みを進めています。
項目 | 2025年度3か年目標 | 2023年度実績 |
---|---|---|
事業による環境負荷低減 | 2040年度までに当社事業活動におけるCO₂排出量のネットゼロに向け、自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギー導入を中心に環境負荷低減に向けた活動を推進する。 | 下記の通り |
温室効果ガス (スコープ1・2) |
2022年度比15.8%削減(総量) | 2.0%削減 |
温室効果ガス (スコープ3) |
2022年度比9.4%削減(総量) | 13.3%削減 |
再生可能エネルギー | グループ全体の再生可能エネルギー導入比率40% | 12.5% |
取水量 | 原単位表示で2022年度比3%削減 | 10.0%削減 |
廃棄物・有価物等発生量 | 原単位表示で2022年度比3%削減 | 9.7%削減 |
有害廃棄物発生量 | 原単位表示で2022年度比3%削減 | 4.0%削減 |
VOC排出量 | VOC排出量を前年度排出量以下 | 210%増加 |
6.7%削減 ※1 | ||
製品による環境貢献 | 環境に貢献する製品の開発および普及の推進 | ー |
車載事業における貢献 | 電気自動車用駆動モータシステム「E-Axle」導入によりCO₂排出量を削減:
2020年度~2025年度までの累計11,700千t-CO₂ 電動パワーステアリング用モータ導入によりCO₂排出量を削減: 2020年度~2025年度までの累計26,261千t-CO₂ 電動ブレーキ用モータ(EBB)により、CO₂排出量を削減: 2024年度~2025年度の2年間で10,029 千t-CO₂ |
10,213千t-CO₂ (総計) |
小型モータ事業における貢献 |
小型EV用モータ導入により、CO₂排出量を削減:35千t-CO₂削減/年 電動バイク用モータ導入によりCO₂排出量を削減:32千t-CO₂削減/年 |
10千t-CO₂ (総計) |
環境マネジメント活動 | ISO14001に基づく環境マネジメントシステムの運用を従業員数ベース80%以上で実施 | 80.5% |
水リスクアセスメント100%の実施 | 進捗率70% | |
自然環境保全 | 外部団体との協同による生物多様性保全の推進(森林整備、植林など) | 外部団体との協同による生物多様性保全の推進(森林整備、植林など)8件実施 |
地域社会における環境教育支援(小学生への環境授業など) | 日本で小学生向け環境授業を17回実施 |
※1 2022年度と同じ事業場に限定した場合