- 会 社 名
- ニデック株式会社
- 代表者名
- 代表取締役社長執行役員 岸田 光哉
- 取 引 所
- 東証プライム(6594)
- 所 在 地
- 京都市南区久世殿城町 338
- 問合せ先
- コーポレートコミュニケーション部長 渡邉 啓太
- 電 話
- (075)935-6150
当社グループ会社であるニデックマシンツール株式会社が大型の工作機械を用いた加工において、リアルの世界を高精度にシミュレーションで再現するデジタルツインプラットフォームを開発しましたのでお知らせいたします。
工作機械におけるデジタルツインプラットフォームの開発について
効率化・省人化された「未来の生産のあり方」を提案
会 社 名 | ニデックマシンツール株式会社 |
代表者名 | 代表取締役社長 二井谷 春彦 |
所 在 地 | 滋賀県栗東市六地蔵 130 番地 |
◆効率化と省人化に貢献する机上シミュレーションと再現性の高い門型五面加工機 MVR-Hx を紹介
◆ユーザが抱える課題に対して新たな解決方法を提案
ニデックマシンツール株式会社は、大型の工作機械を用いた加工において、リアルの世界を高精度にシミュレーションで再現するデジタルツインプラットフォームを開発しました。仮想空間での検証やチューニングにより完成度を極限まで高めた加工プログラムデータと、データを忠実に再現できる当社工作機械とで、狙った品質の加工をスピーディに実現。労働人口の減少や製造業離れといった金属加工業界における深刻な人手不足が懸念される中、実機検証の工程の削減に貢献します。
本技術は「効率化・省人化された“未来の生産のあり方”を提案」と題して、11月5日~10日まで東京ビッグサイトで開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)で初披露します。
当技術は、金属部品加工の現場において作業者が多くの時間を割いている工程や機械稼働率を下げている要因を分析し、その解決策として、デジタル技術や AIを使ったアプリケーションソフトを開発、構築したものです。このアプリケーションソフトは、機械を動かすために作成した加工用NC*1プログラムを仮想空間(パソコン上)でシミュレーションして、その完成度を極限まで向上させることができるため、工場では現実の機械とワーク(被加工物)を使った事前検証をすることなく、加工をスタートするだけで、狙った品質の成果物を得ることができます。
通常、機械オペレータは加工に入る前の段取りとして、動作干渉や切削負荷、サイクルタイムなどの確認と様々な加工条件の設定、およびそれらプログラムの修正や試削を繰り返し行います。それらのデバッグ*2作業には時間を要し、実機を用いると機械稼働率が上がらず、生産性を下げていることから、これら一連の作業を誰でも簡単にできるアプリケーションソフトを提供することで、生産性向上とオペレータの負荷低減を図ります。
具体的には、パソコンとモニターを使用した3次元画像を仮想空間上に出現させ、機械の動きやワークの状態を精緻に確認できるシステムです。オペレータは仮想空間上で加工時間、加工面、動作などを確認することができ、実際の機械を使ったデバッグや試削が不要になります。さらには、再現性の高い当社門型五面加工機では、ヒト・場所に依存せずに一定品質を保った加工ができ、遠隔や多地点での生産を可能にします。
JIMTOF2024の会場では、パソコンと当社機門型五面加工機MVR-Hxを使って、ファナックのデジタルツイン技術を活用したデモンストレーションを実施。ユーザが抱える課題に対して 新たな解決策を提案します。
【デモンストレーション内容】
No. | ユーザの課題(悩み) | 当社からの解決策の提案 |
1 | アタッチメントを用いた五面加工プログラムの動作や干渉(ワークや機械内)が予見しづらい。 |
アタッチメントを含む機械の動きや干渉チェックを仮想空間で視覚的に行います。 |
2 | 加工プログラムやサイクルタイムチェックを実機デバックで行うと機械稼働率が上がらない。 | プログラムを仮想空間で実走させる。また高速処理によりチェック時間を短縮します。 |
3 | 加工面品位の確認は、プログラムや機械パラメータ変更のたびに実機で試削しなければならない。 | 仮想空間上のシミュレーションによって所望の加工面が得られるまでトライ&エラーを行います。 |
4 | 市販の CAD/CAM やシミュレーションソフトでは上記№1~3をまとめて確認できない。 | 一連のサイクルで№1~3を確認できるオリジナルプラットフォームを提供します。 |
5 | 金型の加工面品位を手軽に向上させたい。 | 新開発の「FMⅡ*3」にて高品位な加工面を提供します。 |
*1:「Numerical Control」の略で、数値制御の意味。
*2:プログラム上の欠陥、誤りをテストなどによって発見された誤作動・不具合について、その原因やソースコード上での位置を
探索・特定して、意図した通りに動作するように修正する作業のことをデバッグという。
*3:FMⅡは Fine moldの略。当社オリジナルの金型加工用制御機能で第2世代を指す。