- 会 社 名
- 日本電産マシンツール株式会社
- 代表者名
- 代表取締役社長 若林 謙一
- 所 在 地
- 滋賀県栗東市六地蔵 130 番地
◆ハードとソフトを融合させた、ハイエンドモデルとして完成度の高い仕上がりが評価される
今般、日本電産マシンツール株式会社(社長:若林 謙一、本社:滋賀県栗東市)は、門形五面加工機「MVR-Hx」シリーズで、第 52 回機械工業デザイン賞 IDEA「日本工作機械工業会賞」を受賞しました。
MVR-Hx シリーズは、当社門形五面加工機のラインナップの上位機種として、2021 年 10 月に発売したモデルです。
高精度・高効率を追求するユーザ向けに「熱変位せず、使いやすい機械」をコンセプトとして、主軸の熱変位を抑える軸心冷却機能や環境温度変化を受け難い主要構造体など、徹底した熱対策を実施。金型などの高い面品位が求められる加工から一般部品加工、軽切削から重切削までのあらゆる素材、幅広い加工に応えます。
この度の受賞においては、審査部門から4つの審査項目(①企画力・社会性 ②機能・性能・品質 ③操作性・安全性・保守性・経済性 ④造形・造系処理)と総合評価について、以下の通りコメントを頂いています。
総合評価
2017 年に第 47 回「審査委員会特別賞」を受賞したフラッグシップモデルをブラッシュアップした本製品は、自動化・無人化においては「自動パレット交換・自動ワーク交換ロボット」、安全・環境対策には「豊富なクーラントガード・自動段取り替えオプション展開」などに対応し、かつ、NC 画面情報やシーケンス情報、アラーム情報など IoT プラットフォーム「DIASCOPE」による保守サービスの標準装備は、機械のダウンタイムの最短化に大きな威力を発揮している。これらハードとソフトを融合させ、バランスの良い機械として仕上がっている。
1.企画力・社会性
開発に際しては、各種産業機械、金型ほか様々な製造現場のオペレータや経営者へのインタビュー調査、作業状況の確認、他社ベンチマークなどの結果を踏まえ、「操作性と安全性」をコンセプトキーワードとし、さらには『機械加工をもっと自由に』とのスローガンを掲げてデザイン開発を展開。ソフト面の開発を重視したその姿勢は、①高生産性 ②自動化・無人化 ③安全・環境対策 ④保守性 にまでおよび、ハイエンドモデルとしての完成度の高さを感じさせる。
2.機能・性能・品質
主軸には「外筒冷却と軸芯冷却機能」を装備することによる熱伸びを抑制する技術、コラム内に温度制御媒体「サーモスタビライザコラム」を封入して、気温の変化や時間経過による機械自体の温度変化を大幅に低減する技術を採用することにより、長時間加工においても加工面の段差や食い込みを削減し、低速域から高速域までの高精度加工を可能にしている。当技術によって得られた精度は、「主軸の熱変位量 10μm、加工面の工具間段差 3.5μm」「X,Z 軸の直角度 6μm/500mm:温度変化 7°C」「真円度 4.9μm」となっており、熱対策を徹底した熱変位補正レスによる高精度化を実現していると言える。
高い面品位加工が要求される金型から一般部品加工、軽切削から重切削までの幅広い材料の加工を可能とし、いずれにおいても高い生産性を実現している。
3.操作性・安全性・保守性・経済性
作業性向上のため、ペンダントアームの旋回範囲の拡大や、15inch タッチスクリーンの操作盤の採用に加え、一品物・小ロット加工にも配慮した GUI(Graphical User Interface)は、加工に至るまでの各ステップにおいて、①加工プログラム作成や芯出し・工具計測 ②簡易衝突防止機能 ③省エネ設定 をサポートする「Nidec Navi」を展開している。操作系を刷新して「使いやすさ」を追求した成果は、5面座標設定やポケット加工、円周上の穴あけ加工など、説明に従ってパラメータを入力すればマニュアルプログラムが完成するよう操作の容易化を図り、複雑加工に対するハードルを下げている。
4.造形・造系処理
高剛性のためのシンメトリカル構造をベースとした造形処理は、マシンカバーにおける縦のラインを際立たせる面構成でダイナミズムや奥行きが感じられ、板金加工でありながら高い完成度を誇示している。安全性と作業性に配慮したテーブル側壁パネルに配置された大きな窓やマシンカバーのコーナーエッジ処理は、フロントからサイドビューに至るバランスの良い連続性と一体感を創出している。モノトーンを基調としたダークブルーとのカラーコンビネーションは、個性的先進性を小気味よく表現している。
機械工業デザイン賞は、日刊工業新聞社が、日本における工業製品のデザインの振興・発展を目的とし 1970 年に創設したものです。審査は、主に生産財を対象としており、製品の品質や安全性に力点を置くとともに、性能向上や産業振興のために、新しい時代のデザインの在りようを明らかにしていくことを目的としています。
製品に関するお問合せ先:日本電産マシンツール株式会社 営業本部:077-552-9760 |