LRA触覚デバイスとは?
回転モータが回転運動を生み出すのに対して、リニアアクチュエータは直線運動(往復運動)を生み出します。なかでもLRA触覚デバイスというのはバネの共振現象利用したアクチュエータのことで、小さな力で大きな振動を短時間で発生させることができるアクチュエータです。
この応答性の良さを利用して、従来の電話の着信アラームのような単純なバイブレーション機能の用途だけでなく、身の回りにある様々な触覚の再現が可能となりました。タッチパネルのクリック感や音と連動させることで、臨場感を付加することも可能です。
触覚とは
ものを「触った」際に生じる感覚を「触覚」といいます。触覚はどういう仕組みで働いているのか、ごく単純に言えば「皮膚の変形」を感じ取るのが触覚です。
より正確には、皮膚には圧力や振動、伸縮や滑り具合に反応する数種類の細胞や感覚受容器(センサー)が埋め込まれており、それらが組み合わさってひとつの触覚が構成されています。「皮膚の変形」がセンサーから感覚神経を介し中枢神経(脳)に伝わることで、触覚を感じ取っています。今まさに触れているスマホや衣服の触覚も、こういった皮膚の変形によって感じ取られているわけです。
つまり、LRA触覚デバイスが発生する振動により、皮膚に微少な変形を与えることでセンサーが反応し、脳を錯覚させることで、クリック感などの触覚を疑似的に再現させることが可能になるということです。
LRA触覚デバイスの活用が想定されるアプリケーション
LRA触覚デバイスの動作原理
LRA触覚デバイスラインナップ
当社で取り扱っているLRA触覚デバイスの一部をご紹介致します
当社の得意分野は小型LRA触覚デバイスで、スマートフォン、ウェアラブル端末をはじめ、最近では車載用タッチ式スイッチの触覚フィードバック用途として採用されております。
当社開発のLRA触覚デバイスをいくつかご紹介させていただきます。
今回ご紹介いたしますLRA触覚デバイスには、縦方向と横方向に振動するものがございます。お選びいただく際のご参考として、ラインナップ表に続いて「横方向と縦方向に振動するデバイスではなにが違うのか?」「なぜ周波数が違うのか?」をご説明させていただきますので、ご参照いただけましたら幸いです。
ここではお見せできない大きいモデルや特殊なモデル等もたくさんございます。
触覚再現やLRA触覚デバイスにご興味をお持ちいただけましたら、是非お問い合わせ下さいませ。
横方向と縦方向に振動するデバイス、なにが違うの?
LRA触覚デバイスは縦方向に振動するものと横方向に振動するものが存在します。
LRA触覚デバイスが製品に付与する振動をどのように伝えられるか(伝搬)が振動の向きによって変わってきます。下図のグラデーションで示した箇所が、LRAの振動方向と振動が伝わる場所です。
横方向振動:
左図の場合はLRAの振動方向がタッチ面の横方向と一致するため、タッチ面全体が揺れます。
すなわち、タッチ面全体で一様な振動感が得られます。
縦方向振動:
右図の場合はタッチ面に対してLRAの振動は縦方向となりLRAの設置近辺(直下)は強い振動感が得られますが
LRAの設置位置から離れる距離に応じて振動感は得られなくなります。
なぜ周波数がみんな違うの?
LRA触覚デバイスは共振周波数を利用しており、ある一定の振動周波数の時に最大の振動量が発生するよう設計されています。共振周波数が異なる理由の一つとしては、ヒトが感じる振動感が異なることがあげられます。ヒトの触覚が鋭いということは先にお伝えしましたが、振動周波数の違いで、ヒトは重い振動や軽い振動、心地の良い振動の区別ができるため、使用される製品やアプリケーションで求められる振動感に応じてその共振周波数を変えています。一般的には周波数が低い方が重厚感があり、周波数が高くなるにつれて軽快な振動感となります。