製品
製品ヒストリー
当社は、世界中の自動車メーカー様との信頼関係を構築し、グローバルで事業を行いながら、時代の変化とともにものづくりを通じてより安全で快適なクルマ社会の実現に貢献しています。

【開発秘話】
従来のパワーステアリングシステムは油を使った油圧式が中心でしたが、80年代後半から電動パワーステアリングシステム(EPS)が市場に投入されました。
電動EPSは油圧式に比べて軽量化を図ることができることと、油を使わない点で環境性に優れています。しかし市場に出てから10年近くは、
半導体性能の限界もあり、出力が上げられずに軽自動車への適応にとどまっていました。市場の拡大に向けては普通車以上への適用、
すなわち半導体性能の向上を含めた制御ユニットの高出力化が大きな技術課題でした。
この解決策として、半導体の性能アップに加えて、当時産業用などで採用されていた金属ベースの基板の採用に踏み切りました。
しかし高価であったため、採用拡大に向けては、車載で求められる価格帯の実現と長期信頼性を両立させることが新たな課題となりました。
当時の金属基板は絶縁破壊のリスクを抑えるため、一定の厚さの絶縁層を設けるのが常識でしたが、
放熱性能を落とさずに絶縁層を従来の半分の薄さで作って使いこなす技術にチャレンジし、低価格化と信頼性確保に成功しました。
成功の背景には、当時の常識を覆すチャレンジを実施頂していただいた基板サプライヤー様の技術力、品質管理能力と併せて、
薄型化で増大するはんだ応力を緩和するためのはんだ材料、形状などの研究活動から得られた知見を加えられたことがあります。
この基板の採用が設計の選択肢を広げ、2000年代初頭に始まった普通車へのシステム拡大期に従来の1.5倍の出力性能を持つ製品化に成功し、
その後の高出力商品の拡大スピードを向上させることにつながっています。
現在はさらに半導体が進化し、放熱技術に求める要件も変化していますが、より低価格で高効率な放熱性能を持つ製品を輩出し、
高い信頼性とエンドユーザー様の利便性、ステアリングの電動化による環境性能の向上(軽量化・使用油の減少)に寄与できる製品開発をしてまいります。
1975年(昭和50年) | 単機能タイマー |
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1977年(昭和52年) | 車載用JASOリレー |
1983年(昭和58年) | マルチタイマーユニット |
1984年(昭和59年) | 車載用PCBリレー |
1985年(昭和60年) |
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1987年(昭和62年) | 車載用ISOリレー パワーシートスイッチ |
1988年(昭和63年) |
![]() 日本初! パワーウィンドウスイッチ 二輪用フラッシャーリレー |
1989年(平成元年) | マイクロISOリレー |

【開発秘話】
当社はどのカーメーカー系列にも属さないサプライヤーであり、且つ最後発ながら1989年に業界初となる画期的な「内蔵スイッチコンセプト」を考案して、
パワーウィンドウスイッチ市場に参入しました。このコンセプトは、それまで樹脂成型品と金属でスイッチを構成していたものを、
基板の上に小型の内蔵スイッチを搭載して構成する、まったく新しいものでした。
当時の自動車業界においては、系列に属したスイッチサプライヤーから調達するサプライチェーンが確立されていましたが、
そこに系列外で全く無名のサプライヤーが食い込むことは、並大抵のことではありませんでした。
それほど当社が提案した新コンセプトは品質とコスト面で、大きなインパクトを与えるものでした。
その後、スイッチの更なる小型化が可能となるために内蔵スイッチにスナップアクション機構を取り入れたり、
発煙発火を防止するフェールセーフ構造を取り入れるなど、多くの画期的な技術を詰め込んだ長寿命で高い信頼性・安全性を有しながらも、
安価な製品に進化させたことで、ほとんど全ての日系カーメーカー様に採用していただくことになりました。
また当社は、市場参入後も常に他社より一歩先を行く差異化技術の確立に拘り続けています。
現在までの開発実績としては、窓に指や腕を挟み込んだ際に窓ガラスを反転させる挟み込み防止技術、
車両が海や川に落下し車内に人が閉じ込められた際でも一定時間内は窓ガラスを下げることができる水没検知技術、
後部座席で子供の窓への挟み込み事故を無くすためには必要不可欠な4席に挟み込み防止機能を
安価に付加するための複数窓の同時制御を可能にするリプル制御技術などがあります。
今後も世の中の安全ニーズの高まりに対して、積極的に課題解決のソリューションを提案し、
他社に先駆けて製品化することで、エンドユーザー様の安全安心の実現に貢献してまいります。
1992年(平成04年) | 電波式キーレスエントリー |
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1993年(平成05年) | オートスライドドアコントローラー 車載用280リレー |
1994年(平成06年) |
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1998年(平成10年) |
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2000年(平成12年) |
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2002年(平成14年) |
![]() パワーテールゲートコントローラー |
2003年(平成15年) | 車載用SMDリレー タイヤプレッシャーモニタリングシステム(TPMS) |
2004年(平成16年) |
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2005年(平成17年) |
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2006年(平成18年) |
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2007年(平成19年) | アダプティブフロントライティングシステム |
2008年(平成20年) |
![]() パッシブエントリー&プッシュエンジンスタートシステム |
2009年(平成21年) | EV用セルモニターユニット EV用漏電センサー |

【開発秘話】
E-Clutchは、主に中型~大型のニ輪車に搭載され、マニュアル車のクラッチコントロールを自動制御化することで、
クラッチレバー操作なし(※)でスムーズな発進、変速を可能とする電子制御技術です。
このシステムは、2つの小型モーターとギア類で構成された駆動部、クラッチレバーシャフト、
我々が担当したモーターコントロールユニット(MCU)を核とし、各種センサー類から送られたデータを基に
MCUと協調して制御を行うエンジン制御ECU(電子制御コントロールユニット)から成り立っています。
(※)マニュアルでも操作は可能
本開発は当社にとって初めての経験ばかりでした。これまで10年近く二輪車向けの制御ユニットを開発してきましたが、対象はボディ系のみで、
このMCUのようなパワートレイン系は経験したことがありませんでした。
また開発プロセスや使用するツールも初めてのものが多く、先を見通すことが難しい中でのスタートでした。
さらに、当初想定していた期間の半分で試作を納入することになり、どうにか納入したもののお客様のソフトウェアとの結合がうまくいかず、
お客様に張り付いてリカバーすることもありました。メンバー全員が大変な状況の中でも一丸となり、
お客様と一緒に「世界初のシステム開発」を目指して取り組みました。
これまでの開発では、開発期間後半に実施される工場での試作イベント前にはソフトウェアの実装は完了していることが当たり前でしたが、
本開発では少なくとも10回以上は仕様変更が発生し、開発全体では30回ソフトウェアを納入しました。
後々知ったことですが、お客様は10年で500回以上ソフトウェアの仕様変更をかけて開発されたとのことで、
長年の想いが詰まった制御アプリケーションであることを改めて感じました。
熱い想いを持ったお客様と一緒に開発でき、世界中のエンドユーザー様に貢献できる製品を市場にリリースできたことは、非常にありがたいことだと考えています。
今後もお客様と共に「人とクルマのベストマッチング」を追求し続けてまいります。
2011年(平成23年) |
![]() EV・PHV用双方向リモートシステム |
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2013年(平成25年) |
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2017年(平成29年) | 二輪用スマートエントリーシステム |
2018年(平成30年) |
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2019年(平成31年) | HEV用DC/DCコンバーター |
2023年(令和05年) | 電動パワーステアリング用モータパワーパック * モータと電子制御ユニッとを一体化した製品 |
2024年(令和06年) |
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