◆ 新設計によりスケール配線とアナログ/デジタル変換器を不要に
◆ 新検出パターンの採用で全ストローク絶対値検出を実現、適用先の拡大に
◆ 他社製品との取付け互換強化で簡単取付け・性能向上を実現

 ニデックマシンツール株式会社(以下、当社)は、機械の位置決め・送り量などをデジタル検出する電磁誘導方式の直線位置検出器「MPLSシリーズ」を11月1日から市場投入します。当製品は小型の機械をターゲットに開発した製品です。信号検出方法と基板の高集積化により、スケール配線およびアナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器)を使用しないシンプル構造とし、スケール幅を30㎜の細型にしました。また、アブソリュート(絶対移動値)式の検出方法を採用することで電源入力後の原点設定が不要になるほか、インクリメンタル(相対移動値)式では接続できない制御装置への接続が可能です。加えて、他社の製品と取付け穴の位置や製品サイズも同寸にしたことから、中古機械のレトロフィットやオーバホール時に当製品へ乗り換えが容易になります。

MPLS

 MPLSシリーズは、直線軸の位置検出を行う分解能※10.05μm 、ピッチ精度※210μmの高性能なスケールです。従来のMPLNシリーズでは、対象機械にスケールとヘッドを取り付け、双方から電気信号を制御装置で送受信していましたが、今回スケールからの信号を干渉なく受信する検出パターン※3を開発、この信号検出方法によりスケール配線を不要にしました。また、スケールからの電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器の機能をヘッドに内蔵したため、スケールとヘッドのみで機械の制御装置と信号の送受信を可能としました。これら技術開発により、スケール配線とA/D変換器が不要になり、部品点数と製造工程の削減による低価格と短納期を実現したほか、取り付けの容易化にもつながりました。
他社製品との取付け互換性では、製品の長さと取り付け時の穴の間隔を同じ寸法にし、かつ測定長さを伸ばしたことから、測定範囲を大きくできる、または取付けスペースを小さくすることが可能です。さらには新たに開発した無償のユーザ支援ソフトウェアでは、制御装置の種類に対応した出力仕様に切替えることができ、機械と位置検出器のマッチングを細かく調整することが可能となり、最適な状態での位置検出に貢献します。
当社MPスケールの最大の特長である電磁誘導方式は、検出精度がゴミ・油・結露によって影響を受けない優れた耐久性を有しています。また、完全非接触構造による長期安定した精度維持、熱影響を受け難いなどの特長があり、多様な産業分野から支持を得ています。
本製品は今年4月に発売したワイドタイプのMPLWシリーズと合せ、11月8日~13日まで東京ビッグサイトで開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)に出品、披露します。
※1 分解能 :物理量を測定値として数値に表す最小単位 ※2 ピッチ精度 :1m内の範囲で生じる最大誤差量 ※3 検出パターン:スケールとヘッドの表面に施された銅箔の形状


お問い合わせ先

ニデックマシンツール株式会社
営業本部 電話077-552-9760