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ホブの有効シフト長さ

ホブ切りにおいては、被削歯車に応じて適正なシフト量を選定し、ホブの全切刃を有効に使用し、ホブの摩耗がホブの長さ全体に一様になるようにしなければなりません。現在は、NCホブ盤のおまかせプログラムでシフト範囲を自動計算されますが、ここでは、簡易計算式を使ってホブ切りにおける外周切刃の作用長さを図表で求め、ホブの有効シフト長さを計算する方法をご紹介します。

ホブの有効シフト長さ

図1 ホブの有効シフト長さ

     
  • ホブシフト範囲 S = l - ( K + 2a )
  • ホブ切刃作用範囲 K = k + k0
  • k0 = ホブの創成中心からの歯形創成範囲(片側)
  • k = ホブの創成中心からのホブ外周切刃の作用長さ
  • a = ホブ余裕長さ ≒ π / 2 m
  • k0 = Ca・cosβ / tanαn・cosτ
  • Ca : ホブカッタアデンダム
  • αn : 工具圧力角(ノーマル)
  • β : 歯車の捩れ角
  • τ : ホブ取付角


ホブ外周切刃の作用長さ(k)は被削歯車の径、捩れ角、ホブ外径、ホブ進み角およびホブ切り法により変化する値で厳密には各々のホブ、歯車データにより弊社にて計算いたします。

図2には通常のはすば歯車(捩れ角30°)に対する2条ホブによるクライムホブ切りの場合の作用長さ計算図表を示します。

(計算例)

  • 歯車 m2.25 PA14.5° NT25 β・30° D0 70
  • ホブ : d0 90  2条  刃長l 130
  • k = 23  k0 = 13
  • K = 23 + 13 = 36  a = 3.5
  • S = 130 - ( 36 + 7 ) = 87 (mm)
  • 図2 ホブの有効シフト長さ

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