加工事例 - 大形工作機械 - 大形高精度加工機 MVR-Fx 加工事例

cBN工具の活用

MVR・Fxで加工したサンプルのうち、「cBN工具」を用いて加工した部分について、ご紹介致します。
*cBN: Cubic Boron Nitride 立方窒化ホウ素

金型製造における cBN工具への注目

近年の自動車部品は、安全性能を低下させず燃費を向上させるために、引張強度が高いハイテン材を使用した薄肉化が進んでいます。ハイテン材のプレス用金型には高硬度材が用いられますが、その加工にはダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ"cBN"工具が有効であることから、cBN工具の活用に注目が集まっています。
また、超硬工具と比べ磨耗しにくく、長寿命であることもその特長として知られています。
しかしcBN工具は、「硬い」反面、非常に「もろい」という性質上のデメリットもあり、負荷が掛かり過ぎると割れてしまいます。よって、使用時の条件として「高速回転」と「切込みを安定させること」が必要になります。

サンプル加工結果

MVR・Fxは最高回転数20,000min-1の高速主軸を搭載しており、かつ回転精度が良く、振れが抑えられています。また、プログラム指令通り正確に駆動できるため、予見できないような工具への負荷は防げます。これらの特長はcBN工具と非常に相性が良く、写真の立壁部分でcBN工具を使用したところ、光沢のある高品位な加工面に仕上げることができました。

また、この立壁部の加工においては、cBN工具の長寿命が発揮され、ボールエンドミル1本で切削距離2,188mを加工できました。超硬工具で同様の加工を行う場合は、磨耗により工具交換が発生しますが、その必要がありませんでした。

【加工条件】
加工内容:面沿い加工, 工具:R10 ボールエンドミル(CBN),送り速度 F 1,840 mm/min, f 0.09 mm/tooth
主軸速度 S 10,000 min-1,V 628 m/min, 最大ピック量 0.4 mm,カスプ深さ 0.002 mm

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