IR用語集

か行 IR用語集

格付け(かくづけ)

会社が発行する債券の元本償還や利払いの確実性を格付機関が判定し、簡単な記号で表示したもので、投資者が投資する際の判断材料となります。 金融庁長官から指定を受けた指定格付機関は以下の通りです。
(株)日本格付研究所(JCR)
(株)格付投資情報センター(R&I)
Standard & Poor's Tokyo(S&P)
Moody's Japan K.K
Fitch Ratings Ltd.

株価収益率(かぶかしゅうえきりつ)

PER(price earnings ratioの略。ピーイーアール、またはパー)とも呼ばれ、投資判断指標の1つです。 株価を1株当たり当期純利益で除したもので、株価が1株当たり当期純利益の何倍まで買われているのかを示します。株価収益率が高いほど、利益に比べ株価が割高であることを示し、一方、株価収益率が低いほど、株価が相対的に低いことを示しています。株価の相対的水準を測る尺度として、株式利回りを算出する際に使用する配当金(株主に分配される部分)ではなく、当期純利益を採用している点が特徴です。

株式利回り(かぶしきりまわり)

ある時点で株式へ投資した場合の投資資金と、それが1年間に生むと期待される配当金との比率を示すもので、配当利回りとも呼ばれます。投資判断指標の1つで、銘柄間の株価水準の比較に利用されるほか、株式以外の投資対象(債券利回り、銀行預金の利子率など)との収益性の比較にも利用できます。株式市場全体の利回りをみるためには平均利回りが用いられ、その算出の際、上場株式数を加重するか否かによって、単純平均利回りと加重平均利回りとに分けられます。

株主資本(かぶぬししほん)

貸借対照表の資本の部の合計で、「自己資本」または「純資産」ともいいます。株主の払込金である資本金及び資本準備金と、過年度からの利益の蓄積である利益準備金及びその他剰余金で構成されています。このことから、株主資本は「株主のもの」であるといえます。経営者が事業を行う「元手」の観点から、「株主資本利益率」、「株主資本配当率」といった収益性や株主への還元状況をみる指標に利用されます。また、借入金や買掛金などのように返済・支払を要しない資金であることから「株主資本比率」といった財務構成面からみた安全性指標にも利用されます。さらに「1株当たり株主資本」として、持分証券である株式の投資価値を測定する指標としても利用されています。

監査法人(かんさほうじん)

公認会計士が5人以上の共同で組織・設立した財務書類の監査又は証明等を行う法人。被監査企業の規模拡大に伴なう組織的監査の必要性や、公認会計士監査の独立性確保等の観点から、1966(昭和41)年の公認会計士法改正により設立が認められています。

価格変動リスク(かかくへんどうりすく)

株式や債券など、流通市場での価格変動によって損益が変動する可能性をいいます。

株価指数(かぶかしすう)

株式相場全体の状況を示すために、一定の計算方法で個々の株価を総合し、数値化したもの。日本の株価指数の代表的なものとしてはTOPIX(東証株価指数)があげられます。

株価純資産倍率(かぶかじゅんしさんばいりつ)

PBR(ピービーアール。price book-value ratioの略称。)とも言います。投資判断指標の1つ。株価を1株当たり純資産で除したもので、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているのかを示すものです。株価収益率が株価と利益(フロー)の関係を表しているのに対し、株価純資産倍率は株価と株主資本(ストック)の関係を表しており、株価収益率同様、株価の相対水準を示す指標です。 また近年においては、事業展開の一環として、例えば企業買収などの場合に企業価値を測定する投資尺度としても用いられているようです。

株式公開(IPO)(かぶしきこうかい)

IPO(Initial Public Offeringの略称。)ともいいます。株式会社がオーナーなど少数の株主により所有され、自由な株式譲渡が制限されている状態(未公開会社)から、金融商品取引所市場への上場によって不特定の多くの株主により所有され、株式市場において自由に売買が可能となる状態(公開会社)となることを株式公開といいます。 株式公開時においては、通常、新株を発行し、株式市場から新たな資金調達を行う「公募増資」や既存株主が保有株式を売却する「売出し」が行われます。 株式公開により資金調達の多様化が図れる他、知名度の向上や社会的信用の増大といった効果があります。その一方、不特定多数の投資家から資金調達を行うことから、業績など企業情報を開示する義務が生じます。

株式併合(かぶしきへいごう)

2株を1株に併合するというように、株式分割とは逆になります。この場合、1,000株を保有している株主の持分は500株となり、理論的には株価は2倍に調整されます。株式併合は、場合によっては、端株主や売買単位未満株の株主を増やすことになるなど、株主の権利を侵す可能性があるため、株主総会の特別決議が必要となっています。

株主優待(かぶぬしゆうたい)

企業が株主に対して配当金以外に自社製品やサービスなどを無料でプレゼントする制度。会社の知名度を向上させる目的として、あるいは個人株主の安定化を図るために、多くの上場企業が実施しています。諸外国ではほとんど行われていない制度で、日本企業独特の施策です。

株式交換(かぶしきこうかん)

株式会社が、その発行済株式の全部を、他の株式会社等に取得させる手続きのことをいいます。例えば、A社がB社を買収する際、B社の株主に対価としてA社株式を交付し、B社をA社の完全子会社とする方法が株式交換にあたります。買収されたB社の株主にとっては、所有していたB社株式とA社株式とが交換される形になります。また、A社が上場会社でB社が非上場会社である時、B社が新規上場を希望する場合には、「テクニカル上場制度」により、速やかな上場が認められることがあります。なお、類似する「株式移転」は新たに親会社を設立した上でその会社に株式を移転する制度であり、株式交換とは異なります。

株式分割(かぶしきぶんかつ)

資金調達を伴わない新株式の発行形態で、既に発行されている株式を細分化して発行済株式数を増加させ、その増加分を株主の所有株式数に応じて配分する方法です。株式分割を行って発行済株式数が増加しても、株主の持分である株主資本に変化がないため、理論上は分割比率に応じて株価が下がることとなります。

株主還元(かぶぬしかんげん)

会社が営業活動によって獲得した利益を、株主に適切に還元すること。株主利益還元とも呼ばれます。還元方法としては、増配や株式分割等があります。

株主資本比率(かぶぬししほんひりつ)

株主資本を総資産で除した数値で、財務の安定性を測る指標の一つ。株主資本は株主からの払込金と、過年度からの利益の蓄積で構成されており、負債とは異なり返済・支払を要しない資金であるため、総資産(負債+株主資本)に占める株主資本の割合を計算した場合、その比率が高いほど財務の安定性が高いといわれています。

(計算式)株主資本比率=株主資本÷総資産×100(%)

外国債(がいこくさい)

非居住者が発行する債券で、円貨建外債及び外貨建外債の総称。円貨で表示されるものを「円貨建外債」、外貨で表示されるものを「外貨建外債」といいます。また、外国債は、発行者によって、外国社債、国際機関債、外国国債、外国地方債、外国政府機関債に区分されます。 なお、円貨建外債は「サムライ債」、外貨建外債は「ショーグン債」とも呼ばれます。

元本リスク(がんぽんりすく)

証券の売方が買方に証券を引き渡したにもかかわらず買方が代金の支払いを行わないこと、あるいは、証券の買方が売方に代金を支払ったにもかかわらず売方が証券の引渡しを行わないことにより、証券や代金を元本ごと取りはぐれてしまう危険のことを元本リスクといいます。

キャッシュフロー

お金の流れを示す指標。期間最終利益を発行株式数で除した1株当り利益(EPS)などの会計上の収益指標は、当該国の会計ルールの影響を受けることなどから、会計の仕組みを離れて、純粋なお金の流れで期間収益を計測する場合などに用いられます。

議決権(ぎけつけん)

個々の株主は会社への出資を通じて経営に参加する権利があり、持ち株数に応じた「議決権」を有しています。具体的には、1単元株以上の株式を保有する株主は、会社の最高意思決定機関である株主総会に出席し、提案された議案に対し賛成・反対の意思表示である「議決権」を行使することができます。

キャピタルゲイン

保有株が買った値段より値上がりするなど、株価の変動によって得る利益のこと。一方で、配当金など株主の権利として受け取る利益のことを「インカムゲイン」といいます。

金融商品取引業者(きんゆうしょうひんとりひきぎょうしゃ)

金融商品取引法に基づいて、株式やデリバティブなどの販売・勧誘、投資助言、投資運用、顧客資産の管理を行う事業の登録を行っている会社です。

決算短信(けっさんたんしん)

上場会社が決算発表及び四半期決算発表を行う際に、決算内容の要点をまとめた書類の名称。決算発表内容の標準化を目的として記者クラブが上場会社に要請したことから始まり、現在は取引所が様式を定め、全ての上場会社が作成することになっています。「東証上場会社情報サービス」で、通常は過去5年分を閲覧することができます。

気配(けはい)

売り方、買い方の唱える値段のことをいいます。買いたい値段、売りたい値段であって、約定値段とは異なります。買いたい人が101円、売りたい人が102円を唱えている場合は、「1カイ2ヤリ」の気配といいます。

権利落(けんりおち)

株式分割の権利や配当を受ける権利等が株主に付与される場合、権利を受ける株主を確定する日(権利確定日)の翌日以降に決済される売買からは、買い方が権利を受けることができないことになります。これを「権利落」といい、権利落日の株価は当該権利の相当額分下落することとなります。権利確定日の2営業日前から、権利落として売買が行われます。

堅調(けんちょう)

株価の動きが徐々に高くなること。

現在値(げんざいね)

現在の株価の値段をいいます。

公開買付け(TOB)(こうかいかいつけ)

不特定多数の者から、ある会社(有価証券報告書を提出しなければならない会社)の株券等を買付けようとする者が、買付価格や買付けの期間等を公告する等、投資者保護の観点に立った所要の要件の下に、有価証券市場外において一定の株券等を買付ける行為をいいます。なお、公開買付けの方法及び公開買付けに関する開示方法等については、金融商品取引法第27条の2~第27条の22の4に、公開買付者等関係者の禁止行為は金融商品取引法第167条にそれぞれ規定されています。

小口(こぐち)

売買注文の単位が小さいこと。

コンプライアンス

一般的に「法令遵守」の意味で用いられ、法令や諸規則、企業倫理等のルールを守ることを指します。アメリカにおける粉飾決算による企業の破綻や日本国内での一連の不祥事など、コンプライアンスの不徹底により社会的な信頼を失った事例や企業業績に大きなダメージを受けた事例が頻発していることから、証券市場においても、昨今は「コンプライアンス」の充実・強化が求められています。東京証券取引所においては、主にマーケットにおける売買の審査や、取引参加者における法令・諸規則等の遵守状況の検査等を行うことにより、コンプライアンスの徹底が図られています。

国債(こくさい)

国が発行する債券で、利付債券としては2年~40年の様々な償還期限の国債が発行されています。また、満期が2か月~1年の国庫短期証券もあります。このうち、東証においては利付債券としての国債が上場されています。

個人持株比率(こじんもちかぶひりつ)

個人株主が、会社の株式をどの程度所有しているかを示す指標。全国の証券取引所(東京、名古屋、福岡、札幌)で内国上場会社を対象に実施する株式分布状況調査の結果では、個人持株比率は、調査を開始した1949(昭和24)年度当時は69.1%と高い水準にありましたが、最近は20%台で推移しています。なお、同調査においては、「個人・その他」という投資家の属性区分にまとめられています。

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