モータ用語集
コンデンサラン・モータ, コンデンサ始動モータ
回転磁界方式の単相交流誘導モータの代表的なモータで,大きな用途が扇風機である。構造としては2相巻線をもち,一方を主巻線,他方を補助巻線と呼ぶ。図のように補助巻線には3μFぐらいのコンデンサを直列接続する。コンデンサの役割は主巻線の電流に対してほぼ90°の位相進みを発生させるためである。回転方向を切り替える必要があるための設計では,主巻線あるいは補助巻線の端子の接続を入れ替える。図の回路では主巻線を切り替える。
構造も運転方式も簡単なモータであるが,60Hzと50Hzではコンデンサの静電容量の適正値がほぼ1:1.4の比で異なり,回転速度はほぼ1.2:1の比で異なるので50Hz地方と60Hz地方のテープレコーダには異なる設計が必要であった。この不便を解消するために,駆動方法は複雑ではあるがブラシレスモータの開発がされた。
小型としては大きめの単相誘導モータには,モータを始動するときにだけ補助巻線を使って,始動後はこれを電源から切り離す方式がある。これがコンデンサ始動モータである。この方式の用途では逆転をさせる方式はほとんどないと考えられる。