加工事例 - 精密加工機の加工事例 - 小型精密加工機μV1
プラスチック金型ピンゲート用の電極
電極は、精密加工機の加工対象としてよく挙がるワークです。今回は、プラスチック射出成形金型に設計されるピンゲート用の電極を加工した事例をご紹介します。
「電極」とは?
電極は、形彫放電加工機で使用されます。形彫放電加工機は、絶縁液の中で電極に+、ワークに-の電圧をかけた状態で近づけることで火花を発生させ、ワーク素材を溶解して転写加工を行います。この「電極」は、主に切削加工によって製作されており、微細な形状を正確に加工できるμV1が活躍します。
「ピンゲート」とは?
ゲートとは、プラスチック射出成形金型においてプラスチックが成形部分に流れ込む入り口になるところで、その方式によって、プラスチックが流れ込む速度・方向を制御したり、成形後に製品から切断しやすくしたりといった機能を持ちます。中でも「ピンゲート」は、成形後に金型を開くとき製品から自動で切断される方式です。その機能が発揮されるよう、金型設計者の方が意図したとおりの寸法・形状で加工される必要があります。
加工事例 プラスチック金型ピンゲート用の電極
材質:銅(無酸素銅)、放電加工使用電極本数:6本
放電ギャップ(※1):片側0.07mm
ピンの倒れは5μm以内が要求され、電極先端径0.043mmで円精度が必要なワークでしたが、μV1を使用して正確な寸法での加工を行うことができました。
※1 放電ギャップとは、ワークと電極の間に火花を発生させるすき間のこと
電極の加工に活躍するμV1ですが、様々な形状の電極を数多く扱われる金型メーカ様においては、ワークの格納庫と搬送装置が装備されたAWC(※2)仕様が便利です。加工完了後のワーク交換に人手を掛ける必要が無くなり、作業効率化・非加工時間の短縮にお役立ていただけます。
※2 Auto Work Changer:自動ワーク交換装置
※上記の加工事例はテストカットの一例であり、工具種類・チップ摩耗などの条件により変動することがあります。